[2018年度 総評]
審査員 青山学院大学教育人間学部教授 野末俊比古
(青山学院大学図書館館長、アカデミックライティングセンター長、シンギュラリティ研究所協同所長)
私の勤務先である青山学院大学の図書館では、昨年までの6年間、AFP WAAを用いたコンテストを実施してきました。テーマに沿って写真を選び、雑誌記事を書くという課題です。私はアドバイザーおよび審査委員長(日本語部門)として第一回から関わってきました。コンテストをご縁として、今回のワークショップにおいて審査を担当することとなりました。
さて、今回の課題に対する写真の選び方はさまざま考えられますが、「記憶に留める」ためには「考えさせる」ことが大切であろうと思います。そこで、審査にあたっては、「考えさせる」写真が選ばれていることを重視しました。加えて、写真の意味を引き出すタイトルがつけられ、理由が読み手に伝わるように自身の言葉で書かれているかどうかも考慮しました。
とはいえ、いずれも甲乙つけがたく、審査においては大いに悩みました(審査に時間を要したことを、この場を借りてお詫びします)。本当にすべて授賞としたいところなのですが、せめてと考え、当初予定にはなかった「奨励賞」を数点、選ばせていただくこととしました。
皆さんが社会的な問題に対して真摯に向き合っていることが、いずれの写真・タイトル・文章からもひしひしと伝わってきました。多くの写真を見比べて「これだ」という一枚を選び出し、写真にマッチするタイトルを付け、しっかり考えた文章を添える──一連の作業が丁寧かつ真剣に取り組まれていました。今回のワークショップにおける経験が、皆さんの今後の活動にプラスに働くであろうことを願っています。
十大学合同セミナー応募作品 2018
AFP World Academic Archive(AFPWAA)
AFP World Academic Archive(AFPWAA)はフランス最大の報道機関AFP通信が提供する教育機関向けデータベース・サービスです。世界中に取材拠点を持つAFP通信の1000万枚におよぶ最新のデジタル写真と10万点以上のビデオ動画は、高等教育機関における学習を支援するデジタルコンテンツとして最も適しています。グループワーク、ディスカッション、論文作成、プレゼンテーションなどを行う授業及び研究において、AFPWAAの活用は非常に効果的です。
さらに、AFP通信が提供するコンテンツは著作物二次使用許諾済みで、煩雑な許諾申請など一切不要です。既に20を超える教育機関に正式導入されており、授業のオンデマンド配信、大学公式サイトから配信する公開講座、アクティブラーニング先進事例等において幅広く活用されてきました。
十大学合同セミナー
十大学合同セミナーは今年で46期を迎える学術団体です。1973年に池井優氏(現・慶應義塾大学名誉教授)、宇野重昭氏(現・成蹊大学名誉教授、島根県立大学名誉学長)らが中心となって設立されました。当初は緒方貞子氏(元国連高等弁務官)も指導メンバーの一人として携わっていた伝統ある学術団体です。
早稲田、慶応、明治、法政や津田塾、東京女子大学といった首都圏の様々な大学から参加者が集まり、4~7月の3か月間で共同論文を書き上げます。十大は設立当初からその理念として「学習と交流」を掲げており、学生たちによる議論にも重点を置いています。私たちの生きる国際社会について「大学の垣根を越えた熱い議論の場」を提供し、共同論文を執筆する学術団体です。
AFP World Academic Archiveは学術団体『十大学合同セミナー』に協賛しています。