「記憶に留めておく一枚の報道写真」

この写真は、内戦により破壊された建物に囲まれ遊ぶ子供たちの姿が印象的である。「遊具で遊ぶ子供たち」という日本でも見慣れた光景ではあるが、背後の荒廃した建物が彼らの置かれる悲惨な現状を如実に表している。シリアでの混乱の渦中に生まれ育った子供たちには、何の罪もない。住む場所を内戦により奪われ、命の危機に晒されながら生活する彼らの苦しみは、戦争を知らない我々世代にとって想像を絶するものであろう。遊びたいざかりの子供たちがこのような状況に置かれているという現実を受けて、苦しむ子供たちのために、彼らの明るい未来のために、私たちには何ができるであろうか。平和構築のあり方を考えていくうえで、実際に現地に暮らす人々の存在や感情を決して忘れてはならないと強く感じた。 


東京女子大学 樋田朱莉 平和構築セクション