【10月30日 AFP】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への空爆を続ける中、数百人のパレスチナ人ジャーナリストたちは、北部にある中心都市ガザ市(Gaza city)から同地区南部に避難せざるを得ず、身の危険が及びかねない過酷な状況で仕事を続けている。

 現在は、南部ハンユニス(Khan Yunis)にあるナセル病院(Nasser Hospital)の中庭に設営されたテントが彼らのニュースルームとなっている。テントは夜間の宿泊先でもある。

 地元メディアで働く者もいれば、国際的な報道機関で働く者もいる。しかし、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの戦争によって引き起こされた暴力と苦しみの中、職務を遂行しようとするジャーナリストたちは同じ試練に直面している。

 ハマスの保健当局は、イスラエルによる報復的な空爆や砲撃により死者は8000人以上に上っており、半数は子どもだと発表した。ハマスは10月7日の奇襲攻撃で1400人以上を殺害し、イスラエルから200人以上を人質としてガザ地区に連れ去った。

 パレスチナのジャーナリスト組合によると、軍事衝突発生後に同地区では22人以上の報道関係者が死亡した。

 これまで、ガザ地区で活動する報道機関は、北部のガザ市に支局や事務所を構えてきた。だが多くの建物がイスラエルの空爆によって破壊される中、南部への移動を余儀なくされた。

 ナセル病院の敷地内は「プレス」と記された防弾チョッキやヘルメットを着用したままの報道関係者であふれかえっている。南部のハンユニスでも爆発が頻繁に起こるためだ。