【12月2日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が1日、英国放送協会(BBC)に対し、2022年の冬季五輪と議論の的となっているW杯カタール大会(2022 World Cup)の開催時期が重なる心配はないとの見解を示した。

 2013年9月にジャック・ロゲ(Jacques Rogge)氏の後任としてIOC会長に就任したバッハ氏は、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長がW杯カタール大会を予定通り真夏の6月から7月に開催し、冬季五輪が開催される1月から2月に時期を変更することはないだろうと述べた。

 60歳のバッハ会長は、「(ブラッター会長を)信じない理由はない」と語った。

「彼は、2つの一大イベントが衝突することは、誰の利益にもならないと明言している」

「彼の明確な発言により、そのような衝突は起こらないだろう」

 来週モナコ(Monaco)で開かれるIOCの臨時総会で、2020年東京夏季五輪に向けてさまざまな改革の議論を行うバッハ会長は、2つの大会が重なれば、五輪とサッカーの双方にとってプラスにはならないと述べている。

 FIFAでは現在、2022年大会の開催時期を1月から2月、もしくは11月から12月に動かすべきだとする声が高まっており、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長をはじめとする関係者も、前者の時期を推奨している。

 バッハ会長は、「開催時期が重なれば、テレビで2つのスポーツイベントを放送することになり、世界中の視聴者にとって不都合だ。大衆の関心も分かれてしまう」と述べた。

「FIFAとIOCには共通のスポンサーがいる。だからこのような2つの大会を同時期に開催することは困難であり、誰の得にもならない」

「五輪に出場する選手とサッカー選手は脚光を浴びることができなくなり、スポンサーや放送局の全関係者が、非常に難しい運営を強いられることになる」

「お互いの利益のために、このようなことが起きないようにすることが、われわれの義務だ」