【12月1日 AFP】招致活動における不正疑惑が根強い2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)について、不正があったと主張する記事が再び発表された。これに対してカタールは、改めて疑惑を否定している。

 今回、記事を発表したのは英日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)。同紙は、具体的な証拠はないながら、2018年大会の招致を目指した英国招致チームの証言を集め、さらに記事の発表前に議会による保護を求めた。

 2018年のロシア大会(2018 World Cup)と2022年のカタール大会については、以前から票の買収があったとの疑惑が根強く、今回の報道はそのことを改めて主張するものになる。

 しかし、カタール大会の広報部長であるナセル・アル・ハタル(Nasser Al Khater)氏は、大会は国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長、アジア・サッカー連盟(AFC)幹部の後押しを受けていることを強調し、この話題には「読み疲れ」が起きているとコメントした。

 この日、フィリピンのマニラ(Manila)でAFCの各賞の授賞式に参加したアル・ハタル氏は、「私に分かるのは、サンデー・タイムズが発行前に議会へ向かい、保護を求めたことだけだ」とコメントした。

「内容は自分で確かめれば分かるのではないか。記事がそこにあるわけだから。しかし、彼らが議会の特別委員会に行ったということは、彼らが何らかの保護を求めているという意味だ。それくらいは読んでいない私にもわかる」

 アジアで2度目のW杯となるカタール大会は、AFCからの確固たる後押しを受けており、ブラッター会長が授賞式で「2022年のW杯は確実にカタールで開催される」と発言すると、大きな拍手が起こった。

 招致活動での不正疑惑については、マイケル・ガルシア(Michael Garcia)氏が調査を行い、報告書を提出したが、同氏がその内容と自身の調査結果との間には食い違いがあると主張したことで、疑惑が再燃していた。

 調査報告書については、各所から公開を求める声が出ているが、今のところFIFAは耳を貸していない。アル・ハタル氏は「報道はカタールとは関係ない、というのが現時点でのわれわれの意見だ。カタールが正当に権利を勝ち取ったことを、多くの人が証明している」と話した。

「みんながこの話題にうんざりし始めているのではないだろうか。この件に関しては、読者の読み疲れが起きていると思う。われわれとしては、自分の仕事に集中するだけだ。記事のことはあまり気にしない」