■開催時期の変更は「不可能」

 より経済的な大会を目指し、招致活動や競技の選択肢に柔軟性をもたらしているバッハ会長は、冬季大会の日程を変更することは事実上不可能だと主張している。

 バッハ会長は、「冬季大会の日程は決まっている。われわれは、現在の候補地である北京(Beijing)もしくはアルマトイ(Almaty)にも冬の開催を確約しているが、特に冬季大会は開催地の天候に合わせる必要がある。動かす余地はない」と述べた。

「サッカー界にとっても、事態は容易ではない。FIFAの事務局長や会長の声明からも読み取れるが、現在の彼らは難しい状況に陥っているようだ。次の理事会では、このことが議題に上ると推測しているし、そうなることを願う」

 旧西ドイツの選手として、1976年大会のフェンシング団体で金メダルを獲得した経歴を持つバッハ会長はまた、2022年カタール大会と2018年ロシア大会(2018 World Cup)の招致活動をめぐる不正疑惑について、早急に報告書を作成し、公表すべきだと述べた。

 これらの疑惑については、マイケル・ガルシア(Michael Garcia)氏の調査報告書を開示すべきだとする多くの意見があるものの、FIFAはスイス国内のプライバシー法に触れるとして拒否している。

 バッハ会長は、「もはや信頼を得ることが難しい昨今では、毎日信用を勝ち取っていかなければならない。われわれIOCはこのような姿勢で問題に取り組んでおり、FIFAもその方針で努力していくはずだと確信している」と語った。

「メディアを通して、FIFAにアドバイスすることは私の役目ではない。彼らは、この問題についてできるだけ早く終止符を打つため、やらなければならないことを分かっている。結果を明らかにし、その理由を示すことが極めて重要である」

(c)AFP