北極域の海氷、観測史上最小を更新
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【3月28日 AFP】北極域の海氷面積の最大値が今年、人工衛星による観測が始まって以降の47年間で最小を更新した。国立雪氷データセンター(NSIDC)が27日、発表した。
北極域の海氷は、暗く厳しい寒さの北半球の冬に形成されて拡大し、3月に最大面積に達する。しかし近年では新たに形成される海氷の量が減少し、複数年にわたって残る「多年氷」の蓄積も着実に減少している。
今月22日に到達したと見られる2025年の海氷面積の最大値は1433万平方キロだった。これは、2017年に記録された過去の最小値1441万平方キロを下回っている。
NSIDCのウォルト・マイヤー上級研究員は声明で「この新たな最小記録は、北極海の海氷が過去数十年とは根本的に変わってしまったことを示すもう一つの指標だ」と述べた。また記録的な最低値以上に、長期的な減少傾向が続いていることを裏付ける新たなデータが加わったことも重要だと強調した。(c)AFP