【4月1日 AFP】米国の研究チームは3月31日、AI(人工知能)を使った脳インプラントによって、四肢まひの女性の思考をほぼ同時に音声に変換できたと発表した。

まだ実験段階ではあるものの、脳とコンピューターをリンクするインプラントを使った最新の成果は、こうしたデバイスによってコミュニケーション能力を失った人々が声を取り戻すことができるかもしれないいとの期待を高めた。

カリフォルニアを拠点とする研究チームは以前、脳コンピューターインターフェース(BCI)を使用して、四肢まひの女性、アンさん(47)の思考を解読し、それを音声に変換していた。

だが、彼女の思考とコンピューターが読み上げる音声の間には8秒の遅れがあった。

つまり、18年前に脳卒中を発症して以来話すことができていない元高校数学教師のアンさんにとって、スムーズな会話はまだ手の届かないところにあった。

しかし、英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に発表された同チームの新しいモデルは、アンさんの思考を0.08秒単位で以前の話し声に変換した。

研究論文の上級執筆者でカリフォルニア大学バークレー校のゴパラ・アヌマンチパリ氏はAFPに対し、「私たちの新しいストリーミング手法は、アンさんが話そうとする1秒以内に、彼女の脳の信号をカスタマイズされた音声にリアルタイムで変換する」と語った。

このモデルはディープラーニングと呼ばれるAI手法を使用しており、アンさんが以前に何千もの文章を黙って話すことを試みた際に訓練された。

常に正確だったわけではなく、語彙(ごい)も1024語とまだ限られている。

適切な資金があれば、この技術は5~10年以内に人々のコミュニケーションに役立つ可能性があるとアヌマンチパリ氏は見積もっている。(c)AFP/Daniel Lawler