【4月4日 AFP】米トランプ政権が発表した相互関税の導入により、米国民もその措置が家計に与える長期的な影響に直面することになる。

ドナルド・トランプ米大統領は2日、すべての国からの輸入品に一律10%の関税を課すと発表した。最大の競争相手である中国からの製品には最大34%、欧州連合(EU)には最大20%、日本には最大24%の追加関税が適用される。これらの追加関税は9日から発動される予定だ。

関税の最初の負担は米国の輸入業者が負うことになる。しかし、この影響により、米国内で販売される家庭用品の価格は上昇し、消費者の購買力が低下する可能性が高い。

■食料品

米農務省(USDA)によると、米国は生鮮食品を輸入に頼る割合が年々増加している。

新鮮な農産物の多くはカナダとメキシコから輸入されており、両国は2日に発表された関税の影響を直ちに受けることはない。しかし、その他の品目については、今月発動される厳しい関税の対象となる見込みだ。

例えば、バナナはグアテマラ、エクアドル、コスタリカなどの中南米諸国から大量に輸入されており、これらの国々には4月5日から一律10%の関税が課される。

USDAによると、米国で消費されるコーヒーの約80%が輸入されており、主要輸出国であるブラジルとコロンビアが今回の関税の対象となるため、価格の上昇が予想される。

イタリア、スペイン、ギリシャからの輸入が多いオリーブオイルやアルコール類は、9日から発動されるEUへの追加関税の影響を受ける。

また、タイから輸入されるジャスミン米やインドからのバスマティ米は、それぞれ36%と26%の関税が課され、米国が大量に輸入しているインド産のエビも同じく26%の関税の対象となる。

■電子機器と自動車

インドや中国で多くの製造・組み立てが行われている消費者向け電子機器も、高率関税の影響を受けることになる。

アップルはサプライチェーン拡大に向けた取り組みを行っているが、依然としてiPhone(アイフォーン)の大半は台湾の電子機器受託製造大手、富士康(フォックスコン)を通じて中国で生産されている。このため、9日からは合計54%の関税が課されることになる。

さらに、トランプ政権は米国外で製造された車両に対して25%の関税を課すことも決定しており、アナリストたちは、平均的な自動車の価格に数千ドルが上乗せされる可能性があると指摘している。