【3月23日 AFP】メキシコ西部ハリスコ州の牧場で今月、人骨や靴、衣類が多数発見され、殺人や誘拐事件が日常的に発生する同国に衝撃が広がっている──。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が「明らかな大量殺人現場」と呼んだ同州テウチトランのイサギレ牧場は、麻薬カルテルが使用していた訓練場だった疑いがある。

身内に行方不明者がいる家族や親族は20日、当局が行った報道陣への公開に合わせ、手掛かりを求めてイサギレ牧場を訪れた。

10代の息子が行方不明になってからほぼ4年が経過したというアレハンドラ・クルスさんは、「これは苦しみそのものだ。私たちは心の中で死んでいるのと同じ。私が知りたいのは、ただ息子のことだけ。犯人を探しているわけではない」と語った。

事件をめぐり、同国のアレハンドロ・ゲルツ検事総長は19日、隠蔽を許さず、広範な証拠によって「真実を明らかにする」と約束。また、現場検証の不徹底を含め、ハリスコ州の検察当局が主導した初期捜査に複数の不備があったことを認めた。

メキシコでは12万4000人以上が公式に行方不明者として登録されており、その大半は政府が「麻薬戦争」を宣言した2006年以降に発生している。また、約48万人が同時期に殺害されている。

同国には長年にわたる人権侵害の歴史があり、その加害者の多くが未だに処罰されていない。2014年に発生した、麻薬密売組織と汚職警官が関与したとされる教員養成大学の学生43人の失踪事件もその一例だ。

映像は20日撮影。(c)AFP