チリ、中国の天文台設置計画を再検討 米国が横やりか
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【3月20日 AFP】南米チリは19日、アタカマ砂漠に設置が予定されている中国の天文台建設に関する協定の再検討を発表した。南米での影響力を中国と争う米政府は、同プロジェクトについて批判的な立場を取っている。
習近平国家主席が2016年にチリのカトリカ・デル・ノルテ大学(UCN)と署名した協定により、チリのアタカマ砂漠にはベンタロネス天文公園が建設される予定だった。アタカマ砂漠の夜空は世界で最も暗く、数多くの天文台が設置されている。
チリ外務省は、「このプロジェクトについては中止にはなっていないが、再検討中だ」と表明した。理由は明らかにしていない。
中国大使館側は同天文台について、「オープンで透明性の高い国際イニシアチブ」だと説明する一方、「他国に多数の軍事基地を展開し、数万人の兵士を駐留させている某国が、他国間の正当な技術協力を批判し、干渉している」と不満を表明した。
在チリ米国大使館の広報はAFP宛てのコメントで、このプロジェクトには言及せず、米政府は「中国の民軍連携戦略と、そうした戦略によって人民解放軍と中国の民間宇宙事業や学術・科学機関の間に結び付きが生まれる事態を長年、懸念してきた」と主張。
「われわれの地域で、中国がわが国より影響力とプレゼンスを持つ世界に住むことはできない」と強調し、「西半球で中国共産党の役割が増大すると、米国の国益が脅かされる」と付け加えた。(c)AFP