【2月22日 AFP】南アフリカのセンゾ・ムクーヌ警察相は21日、同国では昨年10~12月の殺人認知件数が前年同期比で10%近く減少したとする一方、1日当たりの件数は75件と高止まりしていると発表した。

人口6200万人以上の南アは、平時の人口当たりの殺人認知件数が世界で最も多い国の一つ。

ムクーヌ氏によると、2024年10~12月の殺人認知件数は6953件で、前年同期比で9.8%、757件減少した。

警察の統計では、2024年4~9月も前年同期比で減少している。

だが、ムクーヌ氏は「殺人発生率が依然として非常に憂慮すべき高さであることは否定しない」と述べた。

警察の統計によれば、南アの殺人認知件数は2023/24年度に過去最多の2万7621件を記録した。

一方、レイプが多発していることで悪名高い同国の性犯罪認知件数は2024年10~12月、前年同期比2%減の1万4973件になった。ムクーヌ氏によれば、レイプは3.3%減少した。

2024年8月に公表された公式統計によると、南アでは殺人事件のおよそ3分の2は、証拠や手掛かりが不十分なために未解決となっている。

これについて、中道右派政党「民主同盟(DA)」の議員は、訓練を受けた捜査官が不足しているのが一因であり、警察の資金不足がそもそもの原因だとの見解を示した。

統計を公表したDAは21日、最新の統計結果について、殺人や強盗、暴行が減少しているにもかかわらず、「南アでは依然として犯罪が常態化している」と指摘した。(c)AFP