「プーチン氏が独裁者」EU外相、トランプ氏のゼレンスキー氏非難に反発
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【2月21日 AFP】欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障上級代表(外相)は20日、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んだ際、トランプ氏はゼレンスキー氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領を混同しているのではないかと思ったと述べた。
カラス氏は「最初にこれを聞いた時、ああ、彼は2人を混同しているに違いないと思った。明らかにプーチン氏が独裁者だからだ」と、主要20か国・地域(G20)外相会合が開かれた南アフリカのヨハネスブルクで記者団に語った。
トランプ氏は19日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でゼレンスキー氏は「選挙をしない独裁者」だと投稿した。
ゼレンスキー氏の5年の任期は昨年満了したが、ウクライナの法律では戦時中に選挙を行う必要はない。
カラス氏はG20外相会合後の会見で、「ゼレンスキー氏は公正かつ自由な選挙で選ばれた指導者だ」と指摘。多くの国の憲法は、戦争に集中するために戦時中に選挙を中止することを認めていると述べた。
また、2022年にウクライナ侵攻を開始したロシアは自由選挙を行うことができるが、「彼らは民主主義の拡大を恐れている。なぜなら、民主主義では指導者が責任を問われるからだ」と述べ、「これは文字通り、独裁者の手引きからの引用だ」と語った。
トランプ氏はロシアと紛争終結をめぐる直接交渉を開始し、交渉から除外したウクライナと欧州諸国を動揺させている。
カラス氏は引き続きウクライナを支援し、ロシアに政治的・経済的圧力をかけることに焦点を当てるべきだと主張。
ウクライナが「戦場で強ければ強いほど、交渉の場でも強くなる」と述べ、「ロシアは本当は平和を望んでいない」と付け加えた。
また、ロシアとの停戦合意後にウクライナを守るために軍隊を派遣することについて話すのは時期尚早だとコメント。むしろ、ウクライナにはロシアが再び攻撃しないという具体的な安全保障上の保証が必要だとし、停戦はロシアに「再編成と再武装」の機会を与えたに過ぎなかったことを歴史が示していると述べた。(c)AFP