【2月20日 AFP】ギニアビサウの警察は16日、クーデターを成功させるために「いけにえ」を伴う「秘教的儀式」に参加していたとして野党「ギニア・カボベルデ独立アフリカ党(PAIGC)」のフラビオ・バチカ・フェレイラ議員を逮捕した。治安筋が19日、AFPに明らかにした。

だがフェレイラ氏の逮捕理由について、人権活動家は「政治的なもの」との考えを示し、同氏が過去に身の安全が脅かされていると親族に語っていたと明らかにした。

ギニアビサウとフランスの二重国籍を持つフェレイラ氏は、隣国ギニアとの国境にあるピチェ近郊で逮捕された。

フェレイラ氏に近い筋はAFPに対し、同氏は逮捕後、首都ビサウの内務省で拘束されていると明らかにした。

同氏と共にイスラム教徒の霊能者1人、他の2人も逮捕されたという。

一方、治安筋は「クーデターのうわさが広まっている。クーデターの扇動者が秘教的な儀式を行い、確実な成功を祈願していけにえをささげている」と主張。当局は警戒を強め、事態を注視していると付け加えた。

内務省はフェレイラ氏を逮捕した理由について明らかにしておらず、AFPの取材にも応じていない。

人権団体「ギニアビサウ人権連盟」のアブバカル・トゥレ氏はポルトガルのラジオ局に対し、「フェレイラ氏は伝統的な儀式のさなかに逮捕され、内務省で拘束されていると聞いている」とし、「確信はない」が「逮捕理由は政治的なものに違いないと思う」と主張。

「フェレイラ氏は、身の安全が脅かされていると親族に語っていた」と証言した。

フェレイラ氏所属のPAIGCは現在、長年のライバルであるウマロ・シソコ・エンバロ大統領と同氏の任期をめぐって対立している。

エンバロ氏は2020年、大統領選の結果に異議申し立てが行われる中、大統領に就任した。

PAIGCは、同氏の5年の任期は今月27日に終了すると主張しているが、最高裁は任期満了は9月4日との判断を示しているため、PAIGC率いる野党連合は異議を唱えている。

2023年12月には、エンバロ氏がクーデター未遂だと主張する衝突が発生。その数日後、エンバロ氏は野党が多数を占めていた議会を解散し、その後、大統領令により新たな議会選を無期限に延期している。

ギニアビサウは世界最貧国の一つで、1973年にポルトガルから独立して以来、クーデターが相次いでいる。(c)AFP