【2月17日 AFP】国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウィニー・バイアンイマ事務局長は16日、ドナルド・トランプ米大統領が対外援助資金の拠出を凍結すると表明したことを受け、新たに数百万人が後天性免疫不全症候群(エイズ)で死亡する恐れがあると警告した。

バイアンイマ氏は、エチオピアの首都アディスアベバで開催されたアフリカ連合(AU)首脳会合に出席した際、AFPの取材に応じた。

同氏は、援助凍結が「多くの国に強い衝撃をもたらした」と述べ、「米国の資金提供がエイズ救済資金の大部分を占めていることをはっきりと示す必要がある。凍結されれば、多くの人々が命を失う」として警鐘を鳴らす必要性に言及した。

米国は世界最大の政府開発援助(ODA)拠出国であり、その多くは米国際開発庁(USAID)を通じて提供されている。しかし、トランプ氏は就任直後、対外援助の大部分を3か月間凍結するよう指示し、その対象には米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)も含まれていた。ただし、その後、PEPFARは凍結の対象外となった。

米エイズ研究財団(amfAR)によると、PEPFARはHIV感染者2000万人以上と医療従事者27万人を支援している。

バイアンイマ氏はUNAIDSの推計を引用し、援助が再開されなければ、エイズ関連の死者数が5年間で10倍の630万人に増加する可能性があると指摘。また、「同じ期間に新規感染者が870万人に達する恐れもある」と述べた。(c)AFP