【3月30日 AFP】通常なら権力者を追及する側の米ホワイトハウス(White House)の記者団が逆の立場に置かれている。29日、大統領専用機「エアフォースワン(Air Force One)」の記者席で「盗難」が横行している事態について、ユーモアを込めて詳細にまとめた記事が発表され、首都ワシントンで反響を呼んでいる。

 ニュースサイト「ポリティコ」によれば、「長年、多数の記者らは大統領専用機を降りる前に、刻印入りのウイスキーのタンブラーやワイングラスをはじめ、エアフォースワンの印の付いたありとあらゆるものをくすねてきた」。

 ホワイトハウス記者会(White House Correspondents' Association)は先月、会員に電子メールを送り、記者たちが機内の記者スペースの物品を記念品として持ち去っている問題は看過できないと通達した。

 米大統領が移動する際、エアフォースワンの後方座席には13人の記者が同乗する。

 メディア各社は、記者の運賃と機内での飲食代を支払っており、記者には記念品として、大統領の紋章とサインが入ったチョコレート「M&M's」の小箱が配られる。グラスをはじめ、エアフォースワンブランドの物品はオンラインで購入できる。

 しかし、エアフォースワンに搭乗した多くの記者は、それだけでは満足しなかったようだとポリティコは指摘。同機を降りる際に、記者たちのバックパックの中では皿やガラス食器がカチャカチャ音を立てていると描写。主要紙の元ホワイトハウス記者が主催した夕食会では、機内からくすねたエアフォースワンの金縁の皿一式で料理が供されたとも伝えている。

 これまでに少なくとも1人の記者が、刺しゅう入りの枕カバーを返却したという。(c)AFP