【3月26日 AFP】女性への性的暴行の罪で禁錮4年6月の実刑判決を言い渡されたサッカー元ブラジル代表DFのダニエウ・アウベス(Daniel Alves)が25日、100万ユーロ(約1億6400万円)の保釈金を支払い、スペイン・バルセロナ(Barcelona)郊外の拘置所を出た。

 アウベスは2022年12月にバルセロナ市内のナイトクラブで若い女性をレイプしたとして先月に有罪判決を受け、控訴している。裁判所は、アウベスがパスポートを引き渡してスペインにとどまり、毎週裁判所に出頭することを条件に保釈を認めた。

 現場で取材したAFPの記者によれば、アウベスはジーンズに白のシャツと黒のジャケット姿で拘置所を後にした。無表情で、近くで待ち構えた報道陣には一言も発せず、車に乗り込んだ。

 保釈の決定について検察と被害者側は反発し、女性の担当弁護士は先週、「司法は金持ちのためのものであり、有罪判決を受けても保釈金を払えば刑事的な責任はないというメッセージを送ることになる」「社会にとって非常に危険なメッセージだ」と述べていた。

 また、アウベスの母国ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領も「この不公正を前にして、われわれは沈黙していることは許されない」と決定を批判し、金で「女性をレイプした男の罪をなかったことにすることはできない」と強調した。(c)AFP/Anahi Aradas and Lluis Gene