【3月23日 東方新報】祖先を尊ぶ清明節が近づき、春の外出や花見に適した観光休暇として人気を博している。専門家や観光業界関係者によると、旅行コストの減少により、特定の「ニッチ」な国内旅行先への関心が高まっている。

 中国大手旅行予約サイト「去哪儿(Qunar)」の情報によれば、多数の利用者がすでにこの休日期間の予約を完了している。今年の清明節は4月4日から6日までの3日間となる。

 去哪儿によると、3月9日から15日の予約件数は前週比で1.4倍に増加し、休暇期間が近づくにつれてさらに増えると見込まれている。

 北京市や上海市、江蘇省(Jiangsu)の南京市(Nanjing)などの人気スポットは休暇の主要な選択肢に挙げられているが、甘粛省(Gansu)の天水市(Tianshui)や広東省(Guangdong)の湛江市(Zhanjiang)のように、あまり知られていないニッチな目的地も、手頃な価格の代替地として予約が増えている。

 去哪儿によると、ニッチな目的地への休暇中のフライト予約は平均して2倍に増加しており、これらの地域ではホテルが一般的に安く、一泊平均約300元(約6286円)であるとされている。

 低価格だけでなく、旅行者はそれらの地域の独自の魅力にも惹かれている。

 例えば、天水市の辛い火鍋はオンラインで人気を博し、煮込んだ肉や野菜、魅力的な赤いチリオイルで、多くの観光客を引きつけている。旅行業者は、この地域が清明節に多くの訪問者を迎えると述べている。

 陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)出身の28歳の男性、閻雲(Yan Yun)さんは、友人と天水市での休暇のためのロードトリップを計画している。

 閻雲さん「抖音(Douyin)(中国版ティックトック<TikTok>)で辛い火鍋のために人びとが長蛇の列を作っている動画を見て、それがとても魅力的に見えたので、到着した日には必ず2回は食べると決めています」と語った。

 去哪儿の研究者である肖鵬(Xiao Peng)氏は、「同じ風景や料理に飽きた人びとは、現在、よりユニークな旅行体験を求めている。特有の料理や商業化されすぎていない古い街並みは、旅行者を惹きつける可能性がある。これらのニッチな目的地にとっては、優れたサービスと誠実さで旅行者を引き留めることがさらに重要だ」と述べている。

 国内の伝統的な人気スポットに加えて、旅行予約サイト「途牛(Tuniu)」によると、タイ、日本、モルディブなど海外の人気地域への休日予約も増加している。(c)東方新報/AFPBB News