【2月26日 CGTN Japanese】中国南西部の広西チワン族自治区柳州市に住む54歳の女性・劉さんは、1年のうち、新型コロナウイルス感染症の検査で4回も陽性になり、最終的にGood症候群と診断されました。Good症候群は100万人に1人というまれに見る難病で、コロナ陽性を繰り返す原因だったということです。

 劉さんは、わずか1年のうちに4回もコロナ陽性になったことで悩み、ついにその原因を突き止めようと決意し、柳州から南寧にある広西医科大学第1付属病院呼吸・重症医学科へ受診に訪れました。

 入院検査により、劉さんは免疫力レベルが非常に低いことが判明しました。王可主任医師が劉さんのこれまでの病歴を詳しく分析した結果、さまざまな「手がかり」にたどり着きました。劉さんは2年前、胸腺腫の手術を受けたことがあり、半年内に扁平苔癬(へんぺいたいせん=皮膚や口腔粘膜に生じる炎症で難治性・再発性の病気)や副鼻腔炎を患ったほか、下痢を繰り返し、体重も日に日に減少する症状がありました。

 王医師はこうした断片的な情報に基づき、Good症候群の症状に合致すると判断しました。Good症候群は自己免疫不全疾患で、胸腺腫と低ガンマグロブリン血症を主な特徴とし、発症率は100万人に1.5人の割合と言われています。その希少性と隠匿性により、診断されにくく、患者は深刻な感染により死亡するケースもあるということです。

 医師らがオンラインとオフラインを通じて討論した結果、劉さんは最終的にGood症候群と診断されました。18日の時点で、新型コロナウイルス感染を繰り返すGood症候群の患者が確認されたのは、中国国内で初めてだったということです。

 診断が確定した後、医療チームは主に免疫力の低下について劉さんの治療プランを作成しました。10日余りの後、彼女の症状は完全に好転し、無事に回復して退院しました。その後、劉さんは体の免疫力を増強するため、長期的に毎月ガンマグロブリンを注射する必要があります。

 Good症候群の患者の多くは性別を問わず40~70歳の間に発症するということです。この病気は1954年に初めて発見され、病因はいまだ明らかになっていません。

 この10年間、臨床医学界では、このような希少疾患に対する認識の向上、免疫グロブリン代替治療の普及、各種抗微生物薬物の広範な応用、より良い支持療法により、この病気の死亡率をある程度下降させたと言われています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News