【11月2日 CGTN Japanese】中国東部の遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)出身の女性ティンティンさん(26歳)は8年ダイエットを続け、体重は100キロから25キロまで減量することに成功したものの、それに伴う拒食症、多臓器不全で死の危機にひんしました。母親の王さんはインターネットを通じて、南京医科大学マイクロバイオーム医療学科の張発明主任医師にたどり着きました。治療の結果、ティンティンさんは命を救われ、健康を回復しました。

 ティンティンさんは175センチの高身長ですが、最も太っていた時には体重が100キロを超えていました。さまざまなダイエット法や運動などを通じて体重を65キロまで減らしたところ、重度の便秘になってしまいました。彼女は偶然、今中国でバズっている人気商品「ビューラック」が便秘改善に役立つことを知り、試してみたところ、びっくりするほど効果があり、便通に効いただけでなく、体重まで減っていきました。しかし、しばらくして薬効が弱くなってきたと感じ、ティンティンさんはやたらに服用量を増やしました。数年後にはほぼ依存症の状態で、服用量は1回1錠から6~9錠にまで増えていました。

 今年4月、ティンティンさんは吐血し、便には血が混じり、肺や腹腔には大量の液体が溜まり、意識不明に陥りました。大連市で二つの病院のICUを転々としましたが回復せず、もう治療法はないと言われました。

 母親の王さんはあきらめられず、毎日インターネットで国内の各病院の情報をチェックし、専門家にメッセージを送り続けました。そんな中、真っ先に返事をくれたのが南京医科大学の張発明主任医師で、「南京に来ていただければ、娘さんを救う方法がある」とのことでした。この言葉がティンティンさんに生きる希望を与えたのです。

 張主任が率いるチームは今年5月にティンティンさんの入院を受け入れ、ICUに送って専門分野を超えた合同診療を行い、心膜や胸腔、腹腔などの出血部位を治療すると同時に、腸機能を回復させるため、糞便微生物叢移植(健康なドナーの糞便懸濁液を患者の腸内に移植する治療法)という治療計画を立てました。

 ティンティンさんは糞便微生物叢移植の三つのクールとリハビリを経て、体重は奇跡的に45キロまで増え、身体機能も徐々に回復しはじめ、今年10月に無事退院しました。

 専門家によると、糞便微生物叢移植技術は健康な人の糞便を、実験室で分離・洗浄・純化した後、患者の腸内に移植し、正常な腸内細菌叢(腸内フローラ)を再建して病気の治療効果を得る技術だということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News