【2月9日 AFP】(更新)米メジャーリーグサッカー(MLS)、インテル・マイアミ(Inter Miami)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)が香港選抜との親善試合に出場しなかった騒動をめぐり、香港と中国本土のネット上では現在、激しい怒りの声が上がっている。

 4日に行われたマイアミ対香港選抜の一戦では、メッシがけがを理由に欠場したことで最高4800香港ドル(約9万円)を支払った熱狂的なファンが「返金しろ」とさけび、マイアミの共同オーナーを務めるデビッド・ベッカム(David Beckham)氏にもやじが飛んだ。

 しかし、メッシはその数日後に行われた日本での親善試合には30分間出場。これに対して激しい怒りが巻き起こり、中国だけがのけ者にされたとして非難の声が上がっている。

 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、外国勢力が中国の評判を落とすために陰謀を企てた可能性があると報道。「一説によると、(メッシの)行動には政治的動機がある。香港がこのイベントを通じて経済を活性化させようとしている中、外部の力が意図的にこの騒動を通じて香港に恥をかかせようとしている」「事態の進展から判断すると、この臆測の可能性は排除できない」と報じた。

 メッシは香港でプレーできなかったのは「運が悪かった」と話し、将来的に戻ってきたいと希望を口にしていたが、香港政府の顧問を務める葉劉淑儀(Regina Ip、レジーナ・イップ)氏はX(旧ツイッター)で、メッシが「戻ってくるのを決して許してはならない」と投稿。香港当局が外国勢力による介入を指摘する際に使うフレーズを交えながら、「香港の人々はメッシ、インテル・マイアミ、そして背後にいる黒い手を憎んでいる。彼らは意図的かつ計画的に香港を軽んじた」「彼のうそや偽善にはうんざりだ」と主張した。

 中国本土でも今週、微博(ウェイボー)でメッシの騒動が常にトレンドに上がっている。出場できなかったことを残念がるメッシの投稿には、冷笑するようなコメントやミームが殺到。メッシが中国より日本が好きだという話にちなみ、中には大日本帝国時代の日本兵に加工されたメッシの画像や、「メッシは非常に無礼であり傲慢で、本当に腹立たしい」といった書き込みも見られた。

 また、香港で活動する俳優の高海寧(Samantha Ko Hoi-ling、サマンサ・コ)氏は、メッシの欠場について「理解する」と地元メディアに語ったことで謝罪に追い込まれた。

 香港戦の主催者を務めたタトラー・アジア(Tatler Asia)は9日、今回の騒動について謝罪し、チケットの購入者に対し50パーセントの返金に応じると発表した。(c)AFP