【2月6日 AFP】米メジャーリーグサッカー(MLS)、インテル・マイアミ(Inter Miami)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)が香港選抜との親善試合に出場しなかった騒動で、試合の主催者は5日、深い遺憾の意を表明するとともに1600万香港ドル(約3億円)の政府補助金の申請を取り下げることを明らかにした。

 試合を主催したファッション誌タトラー・アジア(Tatler Asia)によると、通算8度の世界最優秀選手賞「バロンドール(Ballon d'Or)」に輝くメッシは、負傷しない限り、香港で行われるプレシーズンの親善試合でピッチに立つ契約を交わしていたという。

 しかし、メッシは脚の筋肉を痛めて終始ベンチにとどまり、インテル・マイアミが4-1で香港選抜に勝利して試合が終わると、チームと共同オーナーのデビッド・ベッカム(David Beckham)氏には、4万人近い観客から激しいブーイングが浴びせられた。

 W杯カタール大会(2022 World Cup)を制したアルゼンチン代表の英雄メッシを見ようと1000香港ドル(約1万9000円)以上を支払っていたファンは、「返金しろ!」と叫んで親指を下に向けたり、観客に感謝しようとするベッカム氏にやじを飛ばしたりしていた。

 この騒動を受け、タトラー・アジアの最高経営責任者(CEO)は「エキサイティングなイベントが残念な結果になったことは非常に遺憾だ」とし、「1600万香港ドルの政府補助金の申請を正式に取り下げることに決めた」と発表した。

 香港の消費者委員会には5日正午までに、香港市民から29件、海外旅行者から9件の合計38件の苦情が寄せられたという。苦情の総額は21万6964香港ドル(約4119万円)に上り、個人での最高額は2万2338香港ドル(約42万4000円)だったとされている。

 インテル・マイアミは7日に東京・国立競技場(Japan National Stadium)でJリーグ1部(J1)の王者ヴィッセル神戸(Vissel Kobe)との親善試合を控えているが、メッシの回復が間に合うかどうかは不透明な状況となっている。(c)AFP