【1月10日 AFP】ペットボトル入り飲料水に含まれるプラスチック粒子の数が、これまで考えられていた10~100倍にも相当する1リットル当たり数十万個に上るとする研究結果が8日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。

 研究チームは、ペットボトル入り飲料水主要3ブランドのプラスチック粒子含有量を、最近開発された技術を用いて測定。その結果、1リットル当たり約11万~37万個、平均24万個のプラスチック粒子が検出された。

 検出されたプラスチックのうち、90%はナノプラスチックで、残りはマイクロプラスチックだった。マイクロプラスチックは大きさが5ミリ以下のプラスチック粒子と定義されるのに対し、ナノプラスチックは1マイクロメートル(1000分の1ミリ)以下の微粒子と定義される。

 種類別に最も多かったのは、水を浄化するプラスチックフィルターに由来すると考えられるナイロンだった。次いで多かったのは、ボトル自体の材料であるポリエチレンテレフタレート(PET)。残りの種類のプラスチックは、キャップの開閉時に水に混入するとされた。

 ナノプラスチックは非常に小さいため、消化器官や肺を通過して直接血流に入り、脳や心臓などの臓器に到達するとされ、人体への影響が懸念されている。

 水道水にもマイクロプラスチックが含まれていることが判明しているが、そのレベルははるかに低いとされる。

 論文の共著者を務めた米コロンビア大学(Columbia University)のベイザン・ヤン(Beizhan Yan)研究准教授(地球化学)は、「ボトル入り飲料水に含まれるナノプラスチックを心配するならば、代わりに水道水などを検討するのは妥当なことだ」とAFPに語った。

 ただし、脱水症状のリスクはナノプラスチックへの暴露による潜在的な影響を上回る可能性があるため、「どのような状況においても絶対に口にしてはいけないと言っているわけではない」とも述べた。(c)AFP