字幕:ビデオグラフィック「海の嫌われ者、科学者の宝物──クラゲのあれこれ」
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【10月10日 AFP】クラゲは種類が非常に多く、体の95%以上が水で脳がないのが特徴だ。海を漂う動物プランクトンの一種で、その起源は6億年前にさかのぼる。
クラゲの生息数はここ数十年で急激に増え、海の「ゼリー化」を指摘する専門家さえいる。
激増の原因について海洋生物学者らは、
・魚の乱獲による捕食者の減少
・熱帯の生物にとって好都合な地球温暖化
・海洋酸性化
そして、クラゲに適した環境をつくる農業用肥料や廃水による沿岸海域の富栄養化を挙げている。
クラゲの大量発生により、以下のような経済活動への影響が出ることもある。
・発電所の冷却システムの取水口の詰まり
・養魚場への被害
また、漁業の妨げにもなる。
中には刺すクラゲもいる。触手にある刺胞(しほう)から神経毒を放出して獲物を動けなくするためで、致命傷になることもある。
クラゲの大量発生を受け、一時、クラゲを食用にすることも専門家から提案された。
今日では、クラゲを養殖魚の餌や農業の肥料として商業利用する研究が進められている。クラゲのコラーゲンは化粧品にも利用されている。
そして、最も期待されているのは海の汚染浄化への活用だ。クラゲの粘液を網のように使い、海のマイクロプラスチックやナノプラスチックをからめ捕ることができる。(c)AFP