【12月25日 東方新報】今年は中日友好平和条約締結から45周年に当たる。第26回「走近日企・感受日本(日本企業と接し、日本を体験する)」中国大学生訪日活動が12月5日、無事円満に終了した。これは4年ぶりに再開された中日青年交流のプロジェクトで、両国関係の発展に新たな力を与える活動である。

 日本を訪問した学生の帰国報告会が20日午後、北京市で開催され、訪日団に参加した北京の五つの大学の学生が、日本に滞在した時の体験を報告した。

■熱い思いを感じ、友情を交わす

 25名の大学生訪日団は11月28日に東京に到着し、8日間のスケジュールが始まった。団員25名はそれぞれ北京大学(Peking University)、中国人民大学(Renmin University of China)、北京外国語大学(Beijing Foreign Studies University)、中国石油大学(China University of Petroleum)、北京第二外国語学院(Beijing International Studies University)の大学生で構成されている。

 訪日期間中に学生たちは日本航空(JAL)の羽田空港(Haneda Airport)ハンガー(格納・整備場)、松下記念館、キャノン(Canon)本社、三井住友銀行(Sumitomo Mitsui Banking Corporation)、丸紅(Marubeni)などを訪問し、日本企業の先進的な管理、環境保護の理念、先端科学技術をじかに見聞した。

 また大阪大学(Osaka University)と早稲田大学(Waseda University)を訪問して、日本の大学生との友好交流を行い、茶道や温泉など日本の特色ある文化を体験した。さらに、ホームステイをして、日本の一般家庭の暮らしを経験した。

 8日間の滞在を通して、学生たちは受け入れ側の日本の人びとの心のこもった温かい思いを感じることができた。帰国報告会の席上、彼らは「自分が日本で見聞きした実体験を周囲の人たちに伝えたい」という思いを述べた。

 北京外国語大学で日本語を専攻する邱悦嘉(Qiu Yuejia)さんは、東方新報の取材に応じ「特に印象に残ったのは、私たちが交流した同世代の青年の多くは訪中経験があり、中国語が話せるだけでなく、中国の文化に興味を持っていることでした。ホームステイをした時、私は郷里の深セン(Shenzhen)の10年間の巨大な変化を紹介しました」と語った。

 やはり日本語専攻の北京第二外国語学院の李莫(Li Mo)さんは、「日本企業の本部を見学できたのは、得がたい機会でした。私たちの専攻学科は日本語、数学、物理、地質、エネルギーなど異なりますが、今回はさまざまな分野の日本企業を訪問できて、学生それぞれの専門的な興味を満足することができました」と話した。

 北京大学応用物理専攻の2年生、黄彦晧(Huang Yanhao)さんは半導体産業に深い興味を抱いていた。彼は「20世紀、日本のキャノンや松下などテクノロジー型企業は世界をリードする地位を築きました。私は現代において彼らがどのように時代と歩調を合わせ、次世代の技術を開発しようとしているかを、ぜひ知りたかった」と述べた。

■青年同士の対話で、共に未来を創る

 中国日本友好協会と中国日本商会は2007年からこの活動を共同開催し、今回で26回目となる。これまでに、合わせて800人以上の中国の大学生が日本を訪問した。

 日本の著名な企業の考察や大学訪問、同年代の青年との交流を通して、彼らが日本の経済・社会の発展と中日経済貿易の協力関係の実情への理解を深める手助けをし、両国の青年の友誼の促進に力を注いできている。

 現在、この活動は中日両国青年交流の代表的なプロジェクトとなっており、両国人民の相互理解と信頼を増進させ、中日関係の社会的な基礎固めに積極的な貢献を果たしている。ポストコロナの今、再びこの活動を開催することができた。

 活動の発起団体の一つ・中国日本友好協会の王占起(Wang Zhanqi)副秘書長は、報告会の席上「大学生の皆さんが日本で充実した愉快な時間を過ごすことができたことがよく分かりました。これは皆さんにとって学びの旅でもあり友好の旅でもあります。日本訪問交流が円満に終了したことを、とても喜ばしく思います」とあいさつした。

 王氏は「中日両国は一衣帯水の隣同士の間柄で、双方の友好の基礎と根源は民間にあり、未来は青年の手にあります。私たちは未来を展望し、日本の各界の友人たちと一緒に、両国の地理的な距離の近さと文化的根源の共通性という優位性を十分に発揮して、この活動がますます発展するよう、中日両国のより多くの青年がこのプロジェクトを通じてお互いに知り合えるよう、手を取り合って中日友好の使者となれるよう、未来の中日友好の懸け橋となれるよう、希望いたします」と強調した。

 在中国日本国大使館経済部の高木重孝(Shigetaka Takagi)は、先月の「日中首脳会談」における「両国の関係は新たな時代を切り開く出発点に立っている」との認識を踏まえ、「青少年交流は言うまでもなく非常に重要なことです。若い頃に経験したことは深く印象に残り、今後の人生に非常に大きな影響を与えます。両国関係の未来を築くうえで重要な意義があります。私は06年に北京に留学しました。中国の友人たちとの友誼は20年変わらずに続いています」と結びのあいさつを行った。(c)東方新報/AFPBB News