カタールW杯から1年、大会が残したもの アラブ諸国に連帯感も【再掲】
発信地:ドーハ/カタール
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■巨額の準備費用
国土の狭いカタールはW杯を境に生まれ変わった。新たに地下鉄が開通して空港は拡張し、道路改修やホテル建設が行われ、最先端のスタジアムも八つ用意された。大会へ向けた費用総額は2200億ドル(約32兆円)とされ、史上最も高額なW杯と言われているが、主催者はそうした主張を否定し、大会に向けたインフラ整備の大半は事前に予算化されていたとしている。
アルジャシム氏は「インフラ整備に投じられた2200億ドルには、間違いなくそれだけの価値があった。W杯のためだけにやったわけではない」とコメント。スタジアムのうち七つの合計費用は70億ドル(約1兆円)だと話した。
メイン会場となったルサイル・スタジアム(Lusail Stadium)などは規模が縮小され、貨物用コンテナを使って造ったスタジアム974(Stadium 974)は、別の場所に移転予定となっている。ところが、カタール大会のセールスポイントでもあったこうしたプランは、アジアカップ(2023 AFC Asian Cup)の開催国に決まったため棚上げになっている。
来年1月から2月のアジアカップはもともと中国開催のはずだったが、同国が権利を返上したためカタールが名乗りを上げた。アルジャシム氏は「今のところ、ルサイル・スタジアムはアジアカップの開会式と閉会式で使われる予定」とだけ説明し、アジアカップ後については詳しく語らなかった。アジアカップでは使わないスタジアム974の解体についても詳細は明かさず、近く発表があるとだけ話した。