【12月22日 AFP】チェコの首都プラハのカレル大学(Charles University)芸術学部で22日、同大学に通う男子学生(24)が銃を乱射し、14人が死亡、25人が負傷した。容疑者は現場で遺体で発見された。同国で起きた事件では過去数十年で最多の犠牲者となった。

 同大学は、14世紀に建造されたカレル橋(Charles Bridge)など観光名所の付近に位置する。

 警察署長は会見で「現時点で確認されているのは死者14人、負傷者25人でうち10人は重傷だ」と述べた。被害者は全員、校舎内で撃たれたという。

 報道によれば、被害者には容疑者の友人も含まれている。

 署長は容疑者について、これまでノーマークだったが「膨大な武器・弾薬」を所持していたと説明した上で、警察の迅速な対応によって被害の拡大を防ぐことができたと述べた。

 また、事件発生前にプラハ近郊のホストウニ(Hostoun)村で容疑者の父親が遺体で発見されたことから、警察は容疑者の行方を追っていたという。「容疑者は自殺したいと言ってプラハへ向かった」とされる。

 警察は容疑者が履修中の講義が行われる芸術学部の校舎の一つを捜索したが、容疑者は近くにある同学部の本館へ向かったため見つからなかった。

 署長によると、銃乱射に関する最初の通報を受けたのはグリニッジ標準時(GMT)21日午後1時59分(日本時間同午後10時59分)で、即応部隊が12分以内に現場に駆け付けた。

 同午後2時20分(日本時間同午後11時20分)には、容疑者の遺体を発見したとの報告が現場から入ったという。確認はとれていないが、自殺だとする情報があると述べた。

 署長は、SNSを調査したところ、容疑者は「ロシアで起きた類似事件」に触発されたとみられるとも述べたが、詳細は明かさなかった。「現時点では、さらなる差し迫った危険を示唆するものない」という。

 警察は、今月15日にプラハ東郊の森で散歩中だった若い男性とベビーカーに乗っていた生後2か月の娘が殺害された事件についても、容疑者の犯行とみて捜査している。(c)AFP/Jan FLEMR