【9月27日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は26日、フランスが2024年パリ五輪に参加する同国の女性選手を対象にヒジャブ(頭部を覆うスカーフ)の着用を禁止したことに反対の姿勢を表明した。

 フランスのアメリー・ウデアカステラ(Amelie Oudea-Castera)スポーツ相は24日、テレビ局フランス3の番組で、五輪に出場する同国選手に対しヒジャブ着用を禁止すると言明。「それはいかなる形であれ宗教的な行動は禁じるということであり、公共の場での活動においては絶対的な中立性が求められるということだ」と説明した。

 これについて、OHCHRのマルタ・ウルタド(Marta Hurtado)報道官はスイス・ジュネーブで記者団に対し、「女性が何を身に着ける必要があるか、あるいは着用してはならないかを制約すべきではない」と強調した。

 ウルタド氏は女性差別撤廃条約を引き合いに出し、「特定集団への差別的行為は有害な結果を招きかねない」と警告した。

 フランスでは厳格な世俗主義が堅持されており、公立学校や公務員を対象にヒジャブなど「宗教的象徴」の着用が法律で禁止されている。今年6月には、行政裁判所の終審である国務院が、女子サッカー選手のヒジャブ着用を禁じる規則を支持する決定を下した。(c)AFP