拡大するベトナム投資、懸念材料は人材とインフラか
このニュースをシェア
■道路、電力──インフラ問題
ベトナムが克服しなければならない問題は他にもある。道路網は需要に追いつくのに苦心し、また電力網も限界に達しているとアナリストらは指摘する。
世界銀行(World Bank)によると、インフラの質は多くのアジア諸国に後れをとっている。
高速道路の密度は域内最低水準で、その一方で道路輸送コストは最も高い。
世界銀行は8月の報告書で「見劣りするインフラへの投資状況は、中国からの移転を検討中の案件を含め、FDI(外国直接投資)を誘致・維持する上で足かせとなる」と指摘した。
また同報告書は、5月と6月の電力不足で14億ドル(約2070億円)の損失が出たことに触れ、エネルギー安全保障の強化を図る必要があるとも指摘した。
ベトナム北部では、企業が収益の最大10%を失ったとの報告もある。
米商工会議所のシトコフ氏は、世界銀行の指摘は「評判リスクを生んだ」と述べた。ただし「それは予測できた」評価で、「現在のベトナムには成長を推進させるだけの力はない」と続けた。