【9月3日 AFP】イタリアのアントニオ・タヤーニ(Antonio Tajani)外相は2日、北部チェルノッビオ(Cernobbio)で開かれた経済フォーラムで、同国が参加している中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」について、「期待した成果をもたらしていない」と語った。イタリアが一帯一路から撤退するのではないかとの観測が強まっている。

 タヤーニ氏は、2022年のイタリアの対中輸出額は165億ユーロ(2兆6000億円)と、対仏の230億ユーロ(約3兆6200億円)、対独の1070億ユーロ(16兆8500億円)を下回ったと指摘。「われわれとしては中国との関係強化を維持したいが、輸出動向を分析する必要がある。一帯一路は、われわれが期待した成果をもたらしていない」と述べた。

 タヤーニ氏は3~5日に訪中し、ジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相の公式訪問に先立ち中国高官と事前調整を図る予定。

 財務省の元主任エコノミスト、ロレンツォ・コドーニョ氏は、イタリアの一帯一路からの撤退は「中国当局との間ですでに基本合意している公算が大きい」と指摘。「(メローニ氏が)10月半ばとみられる訪中時に、中国指導部に敬意を表する形で、(撤退を)正式表明することになるだろう」と語った。(c)AFP