【8月3日 AFP】実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が南アフリカの反アパルトヘイト運動を象徴する歌について、「ジェノサイド(集団殺害)」をあおっていると非難したことに対し、南アの野党党首がマスク氏は「無知」だと切り捨てた。

 南アの急進左派政党「経済的解放の闘士(EFF)」のジュリアス・マレマ(Julius Malema)党首は先週末の集会で、反アパルトヘイト運動の闘争歌の一つ「キル・ザ・ボーア(Kill the Boer)」の歌詞を引用し、「ボーア人を殺せ、農民を殺せ」と唱えたことで人種間の抗争を扇動したと非難されている。

 ボーア人とはオランダ人入植者の子孫のことで、「キル・ザ・ボーア」は歌詞が暴力的であることから、一部から扇動的だとみなされている。

 この問題について南アの首都プレトリア出身のマスク氏は7月31日、X(旧ツイッター〈Twitter〉)への投稿で、「彼らは南アの白人に対するジェノサイドを公然と推進している」と非難。

 さらに、反アパルトヘイト運動を主導した与党・アフリカ民族会議(ANC)のシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領をタグ付けし、なぜ声を上げないのかと問い掛けた。

 マスク氏の発言を受け、マレマ氏はヨハネスブルクでの会見で「なぜ私がイーロン・マスクを教育しなければならないのか。彼は無知のようだ。彼を守っているのは白い肌だけだ」と反発した。(c)AFP