【9月7日 AFP】男子テニス国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup)で、フランス代表の監督を務めるヤニック・ノア(Yannick Noah)氏は、規律違反でリオデジャネイロ五輪のフランス代表団から追放されたブノワ・ペール(Benoit Paire)について、サッカー元フランス代表のサミル・ナスリ(Samir Nasri)を引き合いに出しながらも、代表招集への扉は閉ざさなかった。

 リオ五輪では、リシャール・ガスケ(Richard Gasquet)のけがを受けて直前でメンバー入りを果たしたペールだが、男子シングルス2回戦でファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini)に敗れると、無断で選手村を離れるなどの行動に出たため、「規則の軽視」を問題視されて大会途中にチームから除外された。

 ノア氏は6日、16日から18日にかけて行われるデビスカップのワールドグループ準決勝、クロアチア戦のメンバーを発表し、その中でペールについて言及した。

「私はリオに行っていないし、デビスカップのキャプテンだ。聞くところによると、ブノワはフランスチームに害を成す人間だというが、彼はそもそも代表チームには一度も選ばれていない」

「彼はナスリのようだ。最も(サッカー)フランス代表に行きたがらなかったナスリに対して、ブノワの場合は選ばれていないがね」

 早熟の天才としてその名を知られているナスリだが、周囲との折り合いが悪かった代表では潜在能力のすべてを発揮するまでにはいたらず、クラブでも今季はイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)からスペイン1部リーグのセビージャFC(Sevilla FC)への期限付き移籍を選択した。

 それでもノア監督は、ペールの状況を残念に思っており、「彼とはこの夏、話し合いを続けてきた。ブノワはまだデビスカップの代表に入ったことがないし、彼にはこれが夢のような冒険だということを理解してもらいたい」と続けた。

「(フランス代表では)本当に素晴らしい体験をみなで分かち合える。私は歓迎するよ。彼をめぐる論争は気にしない。代表のユニホームをまとう経験は本当に素晴らしいものだ。イカしてるし、プライドも刺激され、最高の気分になれる。その話を始めたら、何時間も止まらないくらいだ。もしかしたら、彼もいずれは考えを改めるかもしれない」

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