【8月11日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)に所属するサミル・ナスリ(Samir Nasri)が10日、フランス代表から引退することを正式に表明した。

 ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が率いるフランス代表メンバーから落選し、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)出場を逃した27歳のナスリは、先週、波乱万丈の代表生活に幕を下ろすことを示唆していた。

 10日の英紙ガーディアン(Guardian)に掲載されたインタビューで、ナスリは「2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)の時もまだ29歳だけど、フランス代表にいてもいいことはないから」と語った。

「代表に行くと、いつもトラブルだけが増えるんだ。僕は非難され、家族はそのことで苦しむ。家族につらい思いはさせたくないから、代表はやめて、クラブ一本に絞った方がいい」

 2007年に19歳で初招集されたナスリは、フランス代表として通算41試合に出場し5得点を挙げているが、代表でのキャリアは波乱だらけだった。

 欧州選手権2008(UEFA Euro 2008)で年長の選手と衝突し、2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)ではメンバーから漏れ、2012年の欧州選手権は、敗退後の取材で記者に対して侮辱的な暴言を浴びせ、3試合の出場停止処分を受けた。

 さらに今年5月には、恋人のアナラ・アタネス(Anara Atanes)さんが、ナスリを落選させたデシャン監督をツイッター(Twitter)でののしり、物議を醸した。

 デシャン監督についてナスリは、「現実を受け入れないといけない。彼が代表監督を続ける限り、ああいうことがあった以上、僕にチャンスが来るとは思えない」とコメントした。

「でもそれは理由じゃない。監督はチームのためにベストだと思うことをした。その選択は理解している。問題はそこじゃないんだ。僕とデシャン監督との間に問題は何もない。それがすべてだよ」

「監督がメディアで話したわけじゃない。メディアが僕のことを話したんだ。それから選手たちも。W杯前、メディアは(ナスリに)不満を持っている選手がいると言っていた」

「ちゃんと僕の前に立って、言いたいことがあるんだと本人に伝えることさえできない選手のいるグループに、どうして僕を入れたがるんだ?そんな場所にはいたくない。いたってうれしくない。もうあそこへ行くのはごめんだよ」

(c)AFP