【11月14日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は13日、「国ぐるみ」のドーピングが疑われるロシア陸上競技連盟(ARAF)に対し、暫定的に資格停止処分を科した。

 2016年リオデジャネイロ五輪の開幕を9か月後に控え、IAAFは競技の信頼性の回復に奔走している。

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、「本日われわれはARAFの過ちについて話し合い、彼らを暫定的に資格停止処分とする決定を下した。これは現時点で適用され得るもっとも厳しい処分だ」とコメントしている。

「われわれは全体的なシステムについても話し合い、ロシアだけでなく世界中の陸上選手のためになっていないということで意見が一致した」

「これは恥ずべき警鐘であり、いかなるレベルの不正も許容されてはならないことは明らかだ」

 IAAFの理事でARAFの事務局長を務めるミハイル・ブトフ(Mikhail Butov)氏は、コー会長が議長を務め、27人中24人の理事が出席した理事会でロシアの立場を説明したが、投票では賛成22票、反対1票でロシアの資格停止処分が決定した。

 世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会の報告書で、ロシアはドーピングの温床であると非難され、五輪の目玉競技の一つである陸上競技は激震に見舞われている。

 IAAFは、暫定的な資格停止処分が科されたことにより、ロシアの選手やコーチなどの関係者は、五輪を含めた国際大会から排除されることになるとしている。

 また、同処分によりロシアは、チェボクサル(Cheboksary)で行われる予定となっていた2016年のW杯競歩(IAAF World Race Walking Cup)、カザニ(Kazan)で行われる予定となっていた2016年の世界ジュニア陸上競技選手権(IAAF World Junior Championships)を開催する資格を失った。

 またIAAFは、「IAAFの資格を回復するためには、(ロシアの)新連盟は一連の基準を満たさなければならない」とし、ノルウェーの反ドーピングの専門家であるルネ・アンデルセン(Rune Andersen)氏、IAAFの3人の理事が率いる調査チームが数日中に発足することを明かしている。(c)AFP