【11月12日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は11日、国家としてドーピング撲滅のために「あらゆることをするべき」と発言し、国際的な孤立に直面しているドーピング問題を調査するよう命じた。

 ロシア陸上競技界における組織的ドーピングについてまとめられた世界反ドーピング機関(WADA)の報告書への対応に追われているモスクワ(Moscow)は、WADAから認定が取り消された検査所を海外の専門家の管轄に置くことを明らかにしている。

 疑惑に対する回答期限の13日が迫る中、プーチン大統領は2014年ソチ冬季五輪の開催地であるソチ(Sochi)で国内の各スポーツ団体の会長らと会談した。

 不正や「国家ぐるみの」ドーピングが疑われているロシアは、国として2016年のリオデジャネイロ五輪から排除される危機に面している。

 皮肉にもリオ五輪の準備を話し合うために招集された会議のテレビ映像の中でプーチン大統領は、「この問題から脱却するため、われわれはロシアであらゆることをやらなければならない」と語った。

「独自の内部調査を実施しなければならない」と語ったプーチン大統領は各団体に対し、「WADAに対し、最もオープンでプロフェッショナルな協力」を示すよう伝えた。

「この問題はロシアにのみ存在するものではないが、外国の仲間が疑いを持っているのであれば、われわれはそれに答えなければならない」

 調査に当たったWADAの独立委員会のリチャード・パウンド(Richard Pound)氏から突きつけられた疑惑に対し、プーチン大統領が公の場でコメントするのは今回が初めて。

 またプーチン大統領は、ロシア五輪委員会(ROC)が無実の選手の夢が犠牲にならないように訴え、組織として処罰されるべきではないと主張していることを明かしている。

「もし誰かがドーピングのルールを犯したとすれば、責任は個人にある。ドーピングに関わりのない選手は、罪を犯した者のために犠牲を払うべきではない」

(c)AFP/Gabrielle Tetrault-Farber