【4⽉13⽇ Peopleʼs Daily】中国政府は2024年3月14日から11月30日まで、スイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルクの6か国の一般旅券所持者を対象に入国ビザ免除を実施している。

 中国政府はこのところ、ビザ免除の対象を拡大し続けている。国連世界観光機関(UN Tourism、UNWTO)の関係者は中国の同施策は世界の観光の回復に役立つと評価した。UNWTOが発表した「ツーリズム・バロメーター」は、中国を出入国する観光客は入国ビザの利便化と航空輸送力の増強により、2024年には急成長すると予想した。

 オランダのクルーズ船「ザイデルダム(Zuiderdam)」は、中国で国際クルーズ船の運航が全面再開されて初の国際クルーズ船として、3月に大連(Dalian)に寄港した。乗船していた47の国と地域からの2000人以上の客が、大連市を観光した。

 河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)は3月になり、2月10日の春節(旧正月、Lunar New Year)後初のオーストラリアからの観光客を迎えた。そのほとんどが河南省への初来訪だった。同省には3月、オーストラリア、イタリア、ドイツ、ルクセンブルク、韓国、マレーシア、ベトナム、タイなどから数千人の観光客が訪れた。

「特別な魅力」の創出に取り組む観光地もある。例えば1月初旬から2月末に湖南省(Hunan)張家界(Zhangjiajie)を訪れた観光客は前年同期の35倍の延べ9万8000人で、うち韓国人が延べ4万2000人だった。張家界は山歩きを好む韓国人に合わせて山道の整備を行い、韓国語を話せるガイドもそろえた。さらに、韓国国内で若い世代を念頭に「親孝行のために張家界旅行を贈ろう」のキャンペーンを行った。韓国人は「孝徳」を重視するので大きな効果があったという。

 中国政府・文化観光部はこのほど、北京や上海など13地域を取りまとめて、世界最大規模の観光業界の展示会の一つのベルリン国際ツーリズム・マーケット展(ITB Berlin)に共同出展した。中国の出展は展示会の目玉の一つとなり、中国旅遊集団旅行服務(China Tourism Group Travel Services)は北京、西安(Xi'an)、上海などの50余りの特色ある旅行商品を紹介し、40余りの海外旅行業者と交渉した。

 中青旅(CYTS)幹部の徐暁磊(Xu Xiaolei)氏は「弊社はインバウンド観光の問題点を重視します」と説明した。決済や中国国内でのネット利用、通訳、ガイドなどの問題、さらに中国国外でのビザ申請の簡素化に取り組み、海外に向けての観光資源の紹介に力を入れ、集客市場を開拓するという。さらに多言語サイトの開発、ガイドなど専門人材の育成にも取り組み、接客サービスの質を確保するという。

 オンライン旅行サービス中国最大手の携程(Trip.com)傘下の携程研究院の孫博文(Sun Bowen)執行秘書長によると、携程は技術や国際化資源、人材育成、電子商取引支援などにより、インバウンド旅行の利便性向上を後押しする。同社旅行予約サイトの「Trip.com」では、ホテル、航空券、鉄道乗車券、レンタカー、送迎、入場券、写真撮影、飲食、WiFi、テレホンカードなどの予約サービスを39の国と地域に向けて24の言語で提供している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News