【3月29日 CNS】春の到来とともに、中国では春野菜の消費がピークシーズンに入る。春野菜のコンセプトが普及するにつれ、今年は「春を食す」がさらに流行し、多くの地域で春野菜の販売量が昨年同期比で大幅に増加している。

 大型スーパーや生鮮市場に行くと、豊富で新鮮な春野菜が「主役」になっている。多くのスーパーでは、「春の新鮮な味覚」「春を食す季節」といった特設販売エリアを設け、消費者の購買意欲を掻き立てている。さらに、オンラインの生鮮食品販売プラットフォームも春野菜の専門コーナーを開設し、消費者がオンラインでワンストップショッピングを便利に行えるようになっている。

 最近、永輝超市(Yonghui Superstores)が発表したデータによれば、3月以降、同スーパーの春野菜の販売量は顕著な上昇傾向にあり、多くの商品の販売量は前年同期比で約150パーセント増加している。例えば、そら豆は前年同期比で130パーセント増加、春の筍は前年同期比で約150パーセント増加、雷竹は前年同期比で180パーセント以上の増加を示している。特に、春の筍、そら豆、雷竹、にんにくの芽、チャンチン(香椿)は、その新鮮で甘い味わいで、消費者が最も好む春野菜のトップ5にランクインしている。

 京東消費・産業発展研究院が最近発表した「春野菜消費観察」によれば、春野菜の消費は地域の枠を超えて拡がり、北京市、広東省(Guangdong)、上海市、江蘇省(Jiangsu)、浙江省(Zhejiang)が春野菜消費の主力地域となっており、特に北京は春野菜の販売量の18.5パーセントを占め、トップの位置に立っている。消費者層を見ると、「80後(1980年代生まれ)」「90後(1990年代生まれ)」が春野菜の主要な消費者層となっている。

 特筆すべきは、今年の春野菜の販売量が増加する一方で、販売価格は昨年同期比で下落していることだ。適切な気候や一部の春野菜の生産量増加が影響しているが、さらに重要なのは物流チェーンとサプライチェーンの体制が改善され、「南から北への輸送」が増えている。また、保鮮技術の進歩と物流時間の短縮により、長距離輸送された春野菜も新鮮さを保てるようになった。さらに、多くの大型チェーンスーパーや生鮮電子商取引プラットフォームが、春野菜の直接調達サプライチェーンを早期に確立させている。

 春野菜は、中国の人々にとって味わい深い美味しさだけでなく、健康を維持してくれる宝でもある。中国人は「季節に応じて旬の食べ物を楽しむ」という理念を大切にし、新しいものを試すことや推奨することを重んじ、食事を通じて季節の変化に合わせて体を調整する重要な手段と考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News