【3月6日 AFP】世界のアート市場のデータベースを提供するアートプライス(Artprice)は6日、2023年の市場動向についてリポートを発表した。23年はインターネット上で低価格帯の作品が数多く取引された一方、ショールームでの伝統的な競売が落ち込んだことが明らかになった。

 リポートによると、23年は競売での高額作品の取引が少なく、業界全体での取引総額も149億ドル(約2兆2300億円)と前年比で14%減となった。

 その一方で、取引された作品数は76万3000点と過去最高を記録。比較的低価格帯の作品が「爆発的に」取引された。1000ドル(約15万円)以下で取引された作品は、42万3000点に上った。

 アートプライスのティエリ・エールマン(Thierry Ehrmann)CEOは「新しい購買層の流入でアート市場の主なマーケットがインターネットに移った」と述べ、購買層の平均年齢についても過去20年で63歳から41歳に下がったとAFPに説明した。

 また、これまでインターネットの活用に消極的だった伝統的な競売会社でさえも、今ではその姿勢を改めているとし、「ショールームでの競売は消え去る運命にある」と続けた。

 国別では米国が市場を牽引。取引総額は52億ドル(約7800億円)を記録したが、前年比28%減となった。

 2位は中国の49億ドル(約7300億円)。3位は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の影響が続く英国で、前年比15%減の18億ドル(約2700億円)だった。(c)AFP/Sandra BIFFOT-LACUT