【3月5日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、バレンシア(Valencia CF)の子どもファンが、前週末に行われたレアル・マドリード(Real Madrid)戦で相手FWビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)に人種差別行為をした疑いがあり、同国サッカーのプロリーグを管轄するラ・リーガ(La Liga)は4日、その動画を検証していることを明らかにした。

 米スポーツ専門チャンネルESPNのブラジル版で報じられた動画をスペインメディアが伝えたところによると、女性の膝の上に座っていた少年1人がビニシウスに向かって「猿」と叫んでいたとされている。これを受けて、ラ・リーガの関係者は「われわれはどうすることが可能で何をすべきか見極めるため、法的見地から事実の調査と分析を行っているところだ」と述べた。

 2日にバレンシアの本拠地メスタージャ・スタジアム(Mestalla stadium)で行われた問題の試合では、レアルが2点ビハインドからビニシウスの2ゴールで2-2の引き分けに持ち込んだ。ビニシウスは得点後、頭を下げて拳を突き上げる「ブラックパワー・サリュート(Black Power Salute)」を行っていた。

 ブラジル代表のビニシウスはこれまで何度も人種差別の被害に遭っており、スペインサッカー界における差別との闘いのシンボルとなっている。メスタージャでは昨季もファン3人が永久出入り禁止になる人種差別を受けており、この日も同スタジアムでホームのサポーターから何度もやじを飛ばされていた。(c)AFP