【2月16日 AFP】米ニューヨークを拠点とする国際報道NPO、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は15日、昨年世界で殺害されたジャーナリストは99人だったと発表した。前年比約44%増で、2015年以来最多だった。

 CPJの報告によると、99人のうち77人は、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの紛争で犠牲となった。72人がパレスチナ人で、3人がレバノン人、2人がイスラエル人だった。

 CPJは、ガザ紛争での死者がなければ、世界的に減少に転じていたはずだと指摘。昨年12月の報告を引用し、「一つの国の1年の犠牲数を上回るジャーナリストが、イスラエル・ガザ紛争の最初の3か月で殺害された」と述べた。

 ジョディ・ギンズバーグ(Jodie Ginsberg)代表は、「ガザ取材陣は最前線で証人となっている。この紛争でパレスチナ人ジャーナリストが被った甚大な損失は、パレスチナのみならず中東、さらに他の地域のジャーナリズムにも長期的な影響を与えるだろう。ジャーナリストが殺されるたびに、世界に対する私たちの理解は打撃を受ける」と語った。

 CPJは今月7日には、ガザ紛争で死亡したジャーナリストの数は計85人に上ったと発表していた。

 CPJは以前から、イスラエル軍がジャーナリストを「迫害」していると非難してきた。ガザ紛争で殺害されたジャーナリスト12人については、イスラエル軍が意図的に狙った「戦争犯罪」に該当するかどうか現在調査中だとしている。

 一方、ウクライナで死亡した記者は、前年の13人から2人へと減った。このうちの一人が、東部バフムート(Bakhmut)で取材中に犠牲になったAFP通信のアルマン・ソルディン(Arman Soldin)氏(32)だった。(c)AFP