【2月11日 AFP】イタリア・ミラノ(Milan)で10日、同市とコルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で開催される2026年冬季五輪に反対する約1000人が抗議デモを行った。

 雨が降る中、参加者は圧力団体「持続不能な五輪委員会(Unsustainable Olympics Committee)」やハイカーのネットワーク、環境活動家、文化財保存協会、左翼団体の主導でミラノ市街を行進。物議を醸しているボブスレーのコースなど、大会へ向けたインフラ整備に反対した。各団体は、五輪がイタリアの山岳やミラノの住宅費に悪影響を及ぼすと訴え、前週も小規模な抗議を行っていた。

 ボブスレーをめぐってはイタリア政府が今月、コースをコルティナダンペッツォに建設することを発表。しかし大会組織委員会は以前、そり競技はイタリア国外で行うと話しており、国際オリンピック委員会(IOC)も反対している。

 IOCは、8200万ユーロ(約132億円)のコース建設プロジェクトについて、五輪前の大規模テストの実施が間に合わない可能性があり、地元住民への長期的なメリットもほとんどないと話している。唯一入札した国内建設会社ピッツァロッティ(Pizzarotti)は残り13か月で、16か所のコーナーと複雑な冷却システムを備えた1445メートルのコースを建設する必要がある。

 デモに参加した男性は「山はアミューズメントパークじゃない」と話し、「山をトラックに変えるのは、山のあり方に対する間違った考えだ」と主張した。

 2026年冬季五輪はミラノとコルティナダンペッツォに加えて、イタリア北部のさまざまな都市で開催される。(c)AFP