【2月4日 AFP】イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の紛争が激化しているパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では、死者も安らかに眠ることを許されない。遺体はイスラエル軍によって掘り起こされ、病院や学校の敷地内に取り急ぎ埋葬されるケースも後を絶たない。

 ガザ市(Gaza City)アルトゥファ(Al-Tuffah)地区では、布に包まれたパレスチナ人の遺体が墓から引きずり出され、地面に放置されていた。

 今月、同地区を訪れたAFPカメラマンによれば、イスラエル軍はブルドーザーを使って墓地から遺体を掘り起こしていた。

 ハマスが実効支配するガザの宗教当局は、イスラエル軍によって荒らされるか破壊された墓はガザ全域で2000基以上に上るとしている。

 イスラエル軍はAFPに対し、「決して墓地を標的にしているわけではない」と主張。ただし、「他の民間施設と同様、紛争中に墓地や霊園が結果的に損傷を受ける可能性はある」と説明した。

 兵士が墓から遺体を強奪しているという疑惑については、「人質の遺体があるかもしれないという情報を受けた特定の場所」での行為だとし、「人質ではないと判断された遺体は、尊厳をもって返還している」と回答した。