【1月18日 AFP】フランスで新たに国民教育相に就任したアメリー・ウデアカステラ(Amelie Oudea-Castera)氏が、同性愛嫌悪や男女差別の問題で物議を醸しているカトリック系の名門私立校に自身の子どもたちを通わせているとして批判を受けている。しかし同氏は17日、辞任しない意向を表明した。

 テニス元ジュニアチャンピオンのウデアカステラ氏は、前内閣でスポーツ・オリンピック・パラリンピック競技大会相を務めていたが、首都パリでの夏季五輪開催が迫る中、先週の内閣改造で国民教育相も兼任することになった。

 ウデアカステラ氏は、息子3人全員をパリの閑静な住宅街にあるカトリック系の名門私立校スタニスラス(Stanislas)に入学させている。同校は昨年8月、国民教育省に提出された報告書で、国内法に反し宗教の授業を義務化しているとの指摘を受けていた。

 この宗教の授業では通常、保護者が講師として招かれている。同報告書によると、複数の講師が同性愛嫌悪的な発言をしたり、人工妊娠中絶を批判したりしたこともあったという。

 ウデアカステラ氏は先週、報道陣に対し、15年前に息子の学校として同校を選んだ理由として、かつて通っていた公立校では「教師の不在時にきちんとした代替補充がないまま、多くの授業時間が浪費されていた」ためと説明していた。

 当時の教員は、ウデアカステラ氏の主張を断固否定。批判にさらされた同氏は16日、教員らに謝罪するため同公立校を訪問したものの、ブーイングを受けた。

 翌17日、ウデアカステラ氏は、今回の騒動を受け辞任も考えたが、思い直したと述べた。

 またスタニスラスの問題については、前任の国民教育相で現首相のガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏がすでに是正に向けた行動計画に着手しており、この計画の実施状況を注視していく考えを示した。(c)AFP