【1月13日 CNS】4G、5Gネットワーク技術の急速な発展、成熟、普及に伴い、2G、3Gネットワークは徐々に歴史の舞台から退いている。

 中国工業・情報化部は、2G、3Gネットワークの撤退は、移動通信ネットワークのアップグレードの必然的なトレンドであり、今では、国際的にも、多くの国でみられるようになってきたと指摘している。

 業界関係者によれば、限られた周波数リソースとネットワークリソースを5G、4G移動通信ネットワークの発展に集約させることは、ネットワーク運用コストを全体的に削減し、中国のネットワーク運用効率を向上させるのに役立つという。また、現在、多くの携帯電話は全ネットワーク対応で、2G、3Gネットワークの撤退により、携帯電話の複雑さを減らし、携帯電話のパフォーマンスを向上させ、携帯端末のコストを削減することができる。

 通信業界の専門家である項立剛(Xiang Ligang)氏はインタビューで、現在2Gが使用している800MHz帯は良い周波数帯であり、5Gに使用するとその周波数帯の利用効率が高まると述べた。2G、3Gネットワークの撤退は、周波数のクリーニングとネットワークの撤退のプロセスであり、その目的は周波数帯の効率的な利用を促進することだという。

 特筆すべきは、2G、3Gネットワークの撤退は、時代の要請によるものだが、画一的に対処していくわけではないことだ。

 工業・情報化部は、移動通信ネットワークの撤退は、「単純な撤退」ではなく、ユーザー保護策を改善し、ユーザーの権益を十分に保護する前提で、撤退を実施する必要があると指摘している。その中で、通信事業者は早期に計画・通知し、ユーザー保護策と完全なユーザーの後処理計画の策定が必要であり、より良いネットワークカバレッジ、より強力なビジネス能力、より優れたサービス品質を提供する能力を持つことで、ユーザーに、その退出を望み、退出を喜んでもらえる環境を作り出していくのだという。

 次のステップについては、工業・情報化部は、全体的な計画と合理的な推進が必要であり、市場の決定的な役割を発揮し、企業の主体的な責任を強化し、通信事業者が自社の状況によって撤退計画を作成し、適切なタイミングで2Gの撤退作業を開始し、世論の指導、ユーザーの後処理、基地局の閉鎖、サービスの停止、リソースの解放、許可の取消申請などの作業を行うと述べている。同部も法規に基づいて推進し、ユーザーの権益保護を行うという。

 2023年8月、工業・情報化部は中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)に許可を与え、現在の2G/3G/4Gシステム用の800MHz帯の周波数帯を5G移動通信システムに再利用することを許可した。(c)CNS/JCM/AFPBB News