【1月10日 AFP】フランス史上最年少の34歳で首相に就任したガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏は、同国政界の新星として頭角を現し、その様子は同氏の助言者でもあるエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領のかつての姿と比較されている。

 6月には欧州議会(European Parliament)選挙、2027年には仏大統領選を控える中、アタル新首相にとって喫緊の課題は、マクロン氏率いる中道勢力として極右勢力に対する勝利を確実にすることになろう。

 8日に辞任したエリザベス・ボルヌ(Elisabeth Borne)前首相(62)が舌戦による攻防よりも、根回しを得意とする官僚的な人物だったのとは対照的に、アタル氏はより好戦的だ。

 また、その若さでの首相就任は、39歳でフランス史上最年少の大統領となったマクロン氏との比較を避けられない。

 現地メディアでは、マクロン大統領の任期が満了する2027年にアタル氏が後継者になり得るとする臆測さえ取り沙汰されている。週刊誌ルポワンは9月、「ガブリエル・アタル、新たなマクロン?」との記事を掲載していた。

 自信の強さと端正な容姿で注目されてきたアタル氏は、マクロン政権内で最も大きな野心を持つ閣僚の一人と目される一方で、政界での経験が比較的浅いにもかかわらず、断固たる決断力があるとの評価を得ている。

 調査会社オドクサが先週発表した世論調査結果によると、閣僚としての人気は国民教育相だったアタル氏が最も高く、首相候補としては回答者の3分の1以上の支持を獲得していた。

 大統領府に近い情報筋は、「若さ、世論、そして欧州議会選挙戦を率いる現実的、および潜在的な力が任命の決め手となった」と明かした。

 また匿名で取材に応じたある閣僚はアタル氏について「人気があり若い上、マクロン氏がゼロから生み出した人物だ」と語った。