【1月10日 AFP】英ロンドンを拠点とするカタール系メディア「ニュー・アラブ(New Arab)」は9日、約1か月間イスラエルに拘束されていた同社所属のパレスチナ人記者が解放されたと発表した。同社は、拘束中の記者が拷問を受けたとしてイスラエルを非難している。

 ニュー・アラブによると、解放されたのはパレスチナ人の記者、ダイアア・カラウト(Diaa al-Kahlout)氏(37)。同社ウェブサイトに掲載された記事では、カラウト氏が「拘束中に言葉では表現できないようなつらい経験をした」と話していることが伝えられた。

 同氏はイスラエル兵に殴打され拷問されたと話しており、また「拘束と同時にイスラエル兵に囲まれた。しゃべれないよう、口にテープを貼られた」とも説明した。

 イスラエルメディアは先月、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部で拘束したイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘員とされる男性数十人を撮影した映像を公開した。男性らは下着姿にされ、中には武器を引き渡しているように見える人もいた。イスラエルメディアは降伏した戦闘員と伝えたが、この中にカラウト氏の姿もあった。

 公開された映像について、ハマスは組織の戦闘員ではないと明言。SNS上では怒りの声が上がった。

 映像の男性らが下着姿だったことについてイスラエル軍は、対象となる人物が脅威となりうると判断した場合、武器や爆発物を携帯していないことを確認するために行う手順と説明している。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」によると、10月7日以降にイスラエルに拘束されたパレスチナ人記者は38人で、現在も31人が解放されていない。(c)AFP