【1月5日 AFP】男子ゴルフのフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)は4日、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)がLIVゴルフリーグ(LIV Golf League)に対する姿勢を軟化させていることを歓迎し、同リーグと米国ツアー(US PGA Tour)との「敵対関係」を「忘れ去る」時期が来たとの認識を示した。

 サウジアラビアの政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が支援するLIVゴルフが2022年に発足した際、ミケルソンは真っ先に参戦を果たし、ここまで同リーグを最も支えている選手の一人となっている。対照的にマキロイは米ツアーを強く支持し、LIVゴルフへの批判の声を上げてきた。

 しかし、PIFと米ツアーが事業統合に向けた枠組み合意を目指して協議を進める今、マキロイはこれまでとは異なる姿勢を見せており、先日のポッドキャスト番組では、クリケットのインディアン・プレミアリーグ(IPL)のように、LIVゴルフが独自のシーズン枠を設けるなら参戦を検討するとの考えを示した。

 マキロイはさらに、LIVゴルフが「プロツアーの構造上の欠陥を露呈させた」ともコメント。ミケルソンはX(旧ツイッター)への投稿でこの発言を取り上げ、「ロリーのこの言葉やその他の発言は、簡単に口に出せるものではなかっただろう。これを機に恨み言を言うのはやめよう。それよりも、敵対関係を忘れ去り、前向きな未来に向かって取り組むときが来たんだ」とつづった。

 マキロイは先月にマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2023)覇者のジョン・ラーム(Jon Rahm、スペイン)がLIVゴルフに移籍すると、これまでの頑なな姿勢を顕著に軟化させ始めた。

 ミケルソンもラームのLIVゴルフ参戦が全体のムードを和らげたとの考えを示し、事業統合の枠組み合意に達するまで「不必要な侮蔑がないことを願っている」とつづった。

 米ツアーとPIF関係者による交渉は、当初の期限である2023年12月を過ぎている。統合後の具体的な構造は現在も詳細が明らかにされておらず、2024年シーズンは双方別々の計画が進められている。

 マキロイは昨年7月、LIVゴルフに参戦するくらいなら引退すると主張し、他の欧州勢の選手がLIVゴルフに転向するのを見て「裏切られた」と感じたと話したり、一部選手が「二枚舌」を使って移籍したと指摘したりもしていた。

 しかし、前述のポッドキャスト番組では、「今にして思えば、最初にLIVゴルフに移籍した選手たちに対して少し批判的だったかもしれない。今では、誰もが自分やタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)のような立場ではないと気づいたから、少し間違っていたと思っている」と語った。

「僕らは皆、自分たちがやっているスポーツで生計を立てるためにプロになった。そのことを、この2年間で実感した」

「LIVとの闘いに敗北したとは言わないけれど、とにかくこれが自分たちのスポーツの一部だという事実を受け入れた」 (c)AFP