【12月27日 AFP】パリ五輪やサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2024)といった大会がめじろ押しの2024年に注目が集まる中、AFPはこの1年でブレークした4人の選手を振り返る。

■ビクター・ウェンバンヤマ/バスケットボール

 フランス出身で19歳のビクター・ウェンバンヤマ(Victor Wembanyama)は、今年の米プロバスケットボール協会(NBA)ドラフトでサンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)から全体1位指名を受けた。

 若いチームは苦戦しているものの、ウェンバンヤマの開幕数か月でのパフォーマンスは、バスケ界の将来の大スター候補になるだろうという予想を裏付けた。デビューシーズンのここまで、1試合平均で18得点10リバウンド以上とすでに好成績を挙げているウェンバンヤマは、ウエスタンカンファレンスで最下位に沈むスパーズの運命を好転させることがまず目標となっている。

 また、身長2メートル24のウェンバンヤマは、母国で開催される五輪で大会の顔になると期待されている。
 
■シャカリ・リチャードソン/陸上競技

 長らく期待がかけられていたシャカリ・リチャードソン(Sha'Carri Richardson、米国)は、8月に行われた第19回世界陸上ブダペスト大会(World Athletics Championships Budapest 2023)で女子100メートルを制すまで、世界の舞台で頭角を現すのに苦労していた。

 2021年の東京五輪にはメダル候補として出場する予定だったが、薬物検査で大麻の陽性反応が出たため大会を逃し、物議を醸していた。また、昨年行われた第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)の代表選考会でも落選し、悲痛な出来事が続いていた。

 しかし、ブダペストでシェリカ・ジャクソン(Shericka Jackson)とシェリー・アン・フレイザー・プライス(Shelly-Ann Fraser-Pryce)のジャマイカ勢を破り、10秒65の大会新記録を樹立したリチャードソンは、米国女子短距離の個人金メダル候補としてパリへ向かうことになる。

 リチャードソンを擁した米国は、4×100メートルリレーでも世界陸上制覇を果たしている。

■リンダ・カイセド/サッカー

 18歳のリンダ・カイセド(Linda Caicedo)は、サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)ですい星のごとく現れ、コロンビア代表の初の準々決勝進出に貢献した。

 過去2度の優勝を誇るドイツ代表に衝撃的な勝利を挙げた一戦で、カイセドはFIFAプスカシュ賞(FIFA's Ferenc Puskas Award、年間最優秀ゴール)にノミネートされる得点を奪った。また、韓国代表との試合でもゴールを挙げている。

 カイセドは大会後、国内クラブのデポルティボ・カリ(Deportivo Cali)から、スペインの強豪レアル・マドリード(Real Madrid)に移籍を果たした。

 パリ五輪でコロンビアが初のメダルを目指す上で、カイセドは重要な選手となる。

■覃海洋/競泳

 中国の競泳界では、ドーピング違反で資格停止となった孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)以降、目立ったスター選手はいなかったが、覃海洋(Qin Haiyang、タン・カイヨウ)は7月に福岡で開催された第20回世界水泳選手権(20th World Aquatics Championships)で、頭角を現した。

 24歳の覃は男子平泳ぎの50メートル、100メートル、200メートルなどで4個の金メダルを獲得。200メートルでは世界記録を樹立した。

 パリ五輪では前回王者アダム・ピーティ(Adam Peaty、英国)に対処しなければならないかもしれないが、中国に複数の金メダルをもたらすことが見込まれている。(c)AFP/Jed Court