【12月22日 CGTN Japanese】上海市に位置する同済大学材料科学・工程学院の許維教授が率いる研究チームは、2種類の分子に対する「麻酔」と「手術」を行うことで、初めて10個または14個の炭素原子から成る環状炭素分子材料の合成に成功し、炭素ファミリーは二つの新メンバーを迎えました。この研究成果は国際的な科学誌「ネイチャー」で発表されました。

 同研究は初めて2種類の全く新しい環状炭素分子材料(新型炭素同素体)である芳香族化合物の環状C10とC14を合成し、それらの化学的構造や特徴などを明らかにしました。新しく合成された2種類の炭素新材料は今後、分子電子機器への応用が期待されます。

 炭素はありふれた非金属元素で、さまざまな形で自然界に存在しています。研究チームはC10C18とC14C110という2種類の分子を設計し、それらに対して原子操作による「手術」を行い、完全に脱ハロゲン化させることによって逆バーグマン環状反応が発生し、最終的に塩化ナトリウムのフィルム表面で芳香族化合物の環状C10とC14が合成されたということです。

 許教授によると、同研究は環状炭素分野の研究を後押しするもので、合成された環状炭素は新型半導体材料になる可能性が大きく、分子電子機器への応用で大きな将来性があるということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News