【12月14日 CNS】中国国家発展改革委員会などの部門は11月、「プラスチックから竹への置き換え発展加速3年行動計画」を公布した。それによると、「プラスチックから竹への置き換え」産業体系を2025年までにおおむね確立し、2022年と比べ、「プラスチックから竹への置き換え」主要製品の総合付加価値が20パーセント以上増となり、竹材の総合利用率を20ポイント上昇させると提案している。同行動計画は、中国政府が竹製品の普及を推進し、竹の利用率を向上させ、それによりプラスチックが環境に与える破壊を減らすことに取り組んでいることを示している。

 竹は自然で、低炭素で、生物分解できるバイオマス材料であり、その産業応用は環境保護に独自の利点を持っている。専門家によると、もし全世界が毎年1億トンの竹をPVC製品に代替すると、約6億トンの二酸化炭素排出が減少すると予想される。さらに竹は成長が早く、3年から5年で竹材になるため、産業発展に安定した原材料を提供することができる。

 中国は豊かな竹資源と産業発展の大きなポテンシャルを秘めている。データによると、中国は857種の竹類植物を有し、2021年には竹林の面積が756万2700ヘクタールに達し、竹材の年間生産量は1億5000トンだった。現在、中国には竹加工企業が1万以上あり、竹産業の総生産額は2010年の8200億元(約16兆3172億円)から2022年の4153億元(約8兆2640億円)に増加し、年平均成長率は30パーセントを超える。予測によると、2035年までに、中国の竹産業の総生産額は1兆元(約20兆円)を超える見込みだ。

 竹の応用シーンは非常に多様だ。現在、開発されている竹製品は1万種類を超え、衣食住や移動などの生活生産のあらゆる面に関連している。一部の中国企業は大胆に革新し、竹製のキーボード、マウス、計算機などの新製品を製造している。その中でも、竹製のキーボードが市場に出たときは、年間2万5000セットを売り出し、消費者から好評を得ている。

 2022年の11月、中国政府は国際竹藤ネットワーク(INBAR)と共同で「プラスチックから竹への置き換え」イニシアチブを立ち上げた。竹はプラスチック汚染を減らす上で優れた利点を持っているが、現在の産業の発展はまだ規模が小さく、生産量が低く、コストが高く、技術と装備が相対的に遅れているなどの課題に直面している。

 現在、大部分の竹材は人力で収穫するしかなく、生産工場でも大量の人手が必要となる。よって、生産コストの低減と生産効率の向上の必要がある。さらに、市場の消費意識はまだ変わる余地がある。多くの消費者は安価で便利なプラスチック製品に慣れており、竹製品の使用習慣はまだない。消費者の意識を変えるためには、産業の発展と環境保護の宣伝が同時に行われる必要がある。(c)CNS/JCM/AFPBB News